2011年03月25日
ウランやプルトニウムは紙一重で、×××
<想定外とはーー>
東日本大地震で被災されました皆様、心から御見舞いを申しあげます。
東京では電車が不通となり、私のみならず多くの方が職場で一夜を明かしました。
何と、翌朝目に飛び込んだのは、1000年に一度?の、4階のビルをも飲み込む巨大津波の爪あとの映像でした。
更に続く福島原発の損壊のニュースに、炉心溶融に怯えながら何日も釘付けとなっています。
私達は原爆による唯一の被爆国民であり、またチェルノブイリ原子炉の惨劇が脳に焼きついているのです。
ところで誰が、圧力容器や格納容器そして冷却装置という安全のはずだった、見たことも無い巨大装置の崩壊を、テレビに映る白煙と放水の彼方に、思い浮かべることが出来たでしょうか!
実は、私は先年、原発の中を見学する機会がありました。
海辺にそそり立つ、巨大プラント群。
制御棒の仕組みを説明され、格納庫壁の厚さを目にしました。
しかし閉鎖系になり得ない仕組みには安全の文字は浮かんで来ないのでした。
ひたすら私は携帯写真に収めました、が機種交換の際に全て失せました。
お見せできないのが残念、の一語です。
<一度あることは二度あると思えー>
電気のエネルギーを得るために、ウラン235の核分裂反応による熱を利用します(図)。
しかしその時、原子炉や核分裂反応を止める制御棒、そして使用済みの核燃料は3千度にもなります。
もし温度が下げられなくなると炉心溶融のみならず恐るべき核分裂連鎖反応が起こってしまい、いわゆる臨界となります。
何と信じられないことには、津波によって、冷却循環装置が停止してしまったのです。
核爆発?そして放射性物質の漏出の危機です。
<原発と核兵器>
ウランには核分裂を起こしやすいウラン235と、核分裂を起こしにくいウラン238があります(図)。
原子力発電では、自然界での両者の比率よりウラン235を高く濃縮して燃料とします。
ところでウラン238は中性子を吸収して核分裂していくとプルトニウムになります。
プルトニウム239は核分裂しやすく核兵器に使われています。
原発で温度コントローラーなどの破損によって通常の一個以下の中性子による反応が制御されなくなると、プルトニウム239が多量に出来、中性子が過剰に放出され核連鎖反応がおきる、いわゆるプルトニウム爆弾(長崎の原爆)の危機が生じてしまうのです(図の中央)。
運命は、中性子を制御する制御棒と大量の水で温度を下げ続けられること、で決定されるわけですね。チェルノブイリでは制御棒に異常があったとか。
<ベクレルとシーベルト>
私は今日も、安全な水や野菜を求めて右往左往でした。野菜の放射能汚染や水道水が規制値を超えた、というニュースがあったからです。
ウランは核分裂して生体に有害な放射性のヨウ素やセシウムにも変わっていきます。
放射性物質が出す放射能量はベクレルで表されます。
個々の放射性物質は半減期やエネルギーの大きさも違い、人体での濃縮場所、排出性も違います。
そこで放射線を受ける身体の部位なども考慮した数値で比較する必要が生じ、シーベルトという単位を使い、規制値が決められました。
<人類の叡智はー>
過剰な放射線による被害は、広島、長崎の被爆者の追跡調査データから、発ガンや遺伝子障害が起こることが分かっています。
チェルノブイリでは今なお放射性セシウムの害、そして放射性ヨウ素による甲状腺ガンで苦しんでいる何千人もの子供がいますね。
私達は二の舞を避けられるでしょうか。
また今後は、日夜、命がけで冷却や復旧のために働いて下さっている方々のみならず、除染などで働く方々の被爆にもくれぐれも注意を払っていかなければなりません。
チェルノブイリ爆発での作業員の脳での後遺症も報告されています(参考)。
内部被曝のための治療法や薬の開発に役立つ、研究上の発見を祈るばかりです。被曝障害のバイオマーカーによる分子レベルの機構の解明が必須です(参考1,2,3)。
人類の叡智は宇宙に飛び立つことを可能としました。
原子力兵器である原爆(核分裂エネルギー)や水爆(核融合エネルギー)も可能としてしまいました。
やはり、私達は、核の平和利用は出来ない、のでしょうか。
赤い椿が沢山咲いています。
何を知ったか、今年はどこか悲しげな風情です。。。
東日本大地震で被災されました皆様、心から御見舞いを申しあげます。
東京では電車が不通となり、私のみならず多くの方が職場で一夜を明かしました。
何と、翌朝目に飛び込んだのは、1000年に一度?の、4階のビルをも飲み込む巨大津波の爪あとの映像でした。
更に続く福島原発の損壊のニュースに、炉心溶融に怯えながら何日も釘付けとなっています。
私達は原爆による唯一の被爆国民であり、またチェルノブイリ原子炉の惨劇が脳に焼きついているのです。
ところで誰が、圧力容器や格納容器そして冷却装置という安全のはずだった、見たことも無い巨大装置の崩壊を、テレビに映る白煙と放水の彼方に、思い浮かべることが出来たでしょうか!
実は、私は先年、原発の中を見学する機会がありました。
海辺にそそり立つ、巨大プラント群。
制御棒の仕組みを説明され、格納庫壁の厚さを目にしました。
しかし閉鎖系になり得ない仕組みには安全の文字は浮かんで来ないのでした。
ひたすら私は携帯写真に収めました、が機種交換の際に全て失せました。
お見せできないのが残念、の一語です。

電気のエネルギーを得るために、ウラン235の核分裂反応による熱を利用します(図)。
しかしその時、原子炉や核分裂反応を止める制御棒、そして使用済みの核燃料は3千度にもなります。
もし温度が下げられなくなると炉心溶融のみならず恐るべき核分裂連鎖反応が起こってしまい、いわゆる臨界となります。
何と信じられないことには、津波によって、冷却循環装置が停止してしまったのです。
核爆発?そして放射性物質の漏出の危機です。
<原発と核兵器>
ウランには核分裂を起こしやすいウラン235と、核分裂を起こしにくいウラン238があります(図)。
原子力発電では、自然界での両者の比率よりウラン235を高く濃縮して燃料とします。
ところでウラン238は中性子を吸収して核分裂していくとプルトニウムになります。
プルトニウム239は核分裂しやすく核兵器に使われています。
原発で温度コントローラーなどの破損によって通常の一個以下の中性子による反応が制御されなくなると、プルトニウム239が多量に出来、中性子が過剰に放出され核連鎖反応がおきる、いわゆるプルトニウム爆弾(長崎の原爆)の危機が生じてしまうのです(図の中央)。
運命は、中性子を制御する制御棒と大量の水で温度を下げ続けられること、で決定されるわけですね。チェルノブイリでは制御棒に異常があったとか。
<ベクレルとシーベルト>
私は今日も、安全な水や野菜を求めて右往左往でした。野菜の放射能汚染や水道水が規制値を超えた、というニュースがあったからです。
ウランは核分裂して生体に有害な放射性のヨウ素やセシウムにも変わっていきます。
放射性物質が出す放射能量はベクレルで表されます。
個々の放射性物質は半減期やエネルギーの大きさも違い、人体での濃縮場所、排出性も違います。
そこで放射線を受ける身体の部位なども考慮した数値で比較する必要が生じ、シーベルトという単位を使い、規制値が決められました。
<人類の叡智はー>
過剰な放射線による被害は、広島、長崎の被爆者の追跡調査データから、発ガンや遺伝子障害が起こることが分かっています。
チェルノブイリでは今なお放射性セシウムの害、そして放射性ヨウ素による甲状腺ガンで苦しんでいる何千人もの子供がいますね。
私達は二の舞を避けられるでしょうか。
また今後は、日夜、命がけで冷却や復旧のために働いて下さっている方々のみならず、除染などで働く方々の被爆にもくれぐれも注意を払っていかなければなりません。
チェルノブイリ爆発での作業員の脳での後遺症も報告されています(参考)。
内部被曝のための治療法や薬の開発に役立つ、研究上の発見を祈るばかりです。被曝障害のバイオマーカーによる分子レベルの機構の解明が必須です(参考1,2,3)。
人類の叡智は宇宙に飛び立つことを可能としました。
原子力兵器である原爆(核分裂エネルギー)や水爆(核融合エネルギー)も可能としてしまいました。
やはり、私達は、核の平和利用は出来ない、のでしょうか。

何を知ったか、今年はどこか悲しげな風情です。。。