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Posted by たまりば運営事務局 at

2011年04月24日

只モノではなかったーー

<道行くひとがー>
「これは何ですか、珍しいですね」と濃紫のフリージャを見た通りすがりのひとが声を掛けて下さいました。
おかげで、このフリージャが有りそうで無さそうな花であることを知りました。

結婚した頃、夫の実家から送られてきた食料の中にあった球根が増えたのです。

幾年も、稀有なる花とは気が付かず、本当に御見逸れ御免、です~

それにしても昨今の花屋さんのフリージャは、この濃紫は無いものの、白、黄、ショッキングピンク、薄紫、オレンジ、トルコグリーン、そして花びらの大小、白の混じり、なんとヴァラエテイなのでしょう!

<遺伝学と統計学>
遺伝子組み換え技術を得た現在でも、花色や穀物の品種改良はやはり昔からの交配による育種法が行われていますね。

掛け合わせ、と言えばメンデル(1822-1884、オーストリア)でしょうか。

メンデルは若い頃数学を学んだものの、教師の試験に何としてもパスできませんでした、が修道院に勤めて、裏庭で花の色、豆の形をマークに膨大な数のえんどう豆の掛け合わせを行いその結果を数値化することによって、遂に遺伝因子の存在を導きました。

その頃、ダーウイン(1809-1882、英国)が「環境に適したものが子孫を残す上で有利となる」という考えを主張し「進化は偶然が支配する変化である」と論著して社会を揺るがしていました。

そのダーウインもやはり古来の「カエルの子はカエル」という遺伝のしくみを、また表現形質の優劣のしくみを明らかにしたく植物やハトを使って猛烈に掛け合わせ実験をしていたのでした。

しかし、メンデルの数理統計のセンス、これこそがダーウインも至れなかった、遺伝の法則という大発見を後世に知らしめることを可能としたのです。

<エクセル統計分析、平均値、中央値、ガウス分布>
生物学や工学実験の結果のみならず、ビジネスの世界でも需要の予測、物の販売、試作品開発などにおいて、データ解析が次のステップへの根幹となります。

ところで新聞、雑誌など日本人が記したものではもっぱら平均値しか見ませんが欧米人は中央値を上手く使って説明しているのを見ます。

経済統計などはガウス(正規)分布に従わないことが多いので中央値のほうがデータの特性が得やすいのです。

平均値には極端な値(外れ値)の影響を強く受ける、ということがあります。
平均値を用いる場合は、その集団が正規分布をしていることが、絶対的な前提条件になります。

データの数が多ければ正規分布にかなり近づくはずですが、例えば、貯蓄額では数千万人が対象でも、一握りの金持ちが握り締めているので正規分布になりません。

中央値ならその値よりも大きい特性値を持つ人が全体の半分、小さい特性値を持つ人が半分という直感的に明確な意味を与えます。

ですからデータの分布に偏りや極端な数値がある場合は中央値が良さそうです。

エクセルの分析ツールを使うと統計分析の基本値が即座に表(図、基本統計量)になります。

ヒストグラムはデータの散らばり具合を視覚的に示します。

図には、私がストップウオッチで10秒を30回測定したときの結果を、分析ツールの中のヒストグラムを選択して入力、区切り幅を指定して書かせました。

昔、60秒インターバルで泳ぎこんでいた私は身体が秒刻みを記憶しているかのようにバラツキ(分散や標準偏差値)は極めて小さいものでしたがーー

今回測定のエクセルの計算結果は、平均値(9.74), 中央値(9.80), 分散(0.358), 標準偏差(0.599)などでした。

その昔、放物線やだ円などの曲線が数式で表せることを知り感激しました。

美しい曲線と言えばヴィーナスのライン、いえ正規分布曲線!!

正規分布曲線は平均値と標準偏差から求められ、エクセルの中の関数NORMDISTを使ってヒストグラムと重ねて表わすことが出来ます(図)。

手書き計算に比べ、エクセルは手間いらずで余りにexcellent!エクセルも只モノでない気がしてきます~

正規分布は臨床検査だけに留まらず最も広く用いられる分布モデルです。

健常者の多くの検査値は正規分布に近いため、そこでさまざまな検査値について平均値と標準偏差値を算出して、平均値±2標準偏差(95%が含まれる)を正常範囲とします。

ですから確率的には健常者が20種類の検査を受けるとどれか一つが正常範囲を外れることになりますね。

<先行き不透明な社会でこそ確率と統計が必要?>
この世のことは、独立でない事象が絡み合って混沌、曖昧模糊としているように感じます。

その曖昧さにつけこまれないようにするには、評価、納得できるシステム作りが大切ですね。
統計解析の検定法を用いれば、正しさ具合が推察出来ます。

今回の放射能汚染に関しては、いろいろな数字に一鬼?一憂しました。

データがどのように採取され、どのように解析されたのかが重要なのです。

私達の健康は、来たる遺伝子医療社会で個人レベルで解決されていくでしょう。

そのためには、メンデルやダーウインの苦労をはるかに超えて、個人のSNP(2月、本ブログ)データや臨床データを数値化し、確率的に効果のある情報処理科学に基づいた医療を進めていかなければなりません。
  

  • Posted by 丸山 悦子  at 22:05Comments(0)エクセルはエクセラント

    2011年04月09日

    一粒の麦もし死なずば

    <春来たりて、>
    新たな思いに充ちるのがこの季節です。

    思えば、中学生活も終わりに近づいた頃には、授業なさる先生の生き様に未来の自分を重ねたりしました。
    英語も数学も着物姿の先生、休み明けの授業では、お孫さんの話に花が咲くことも!

    化学の授業中のこと、化学大好き才女が「先生はなぜ教えに来られるのですか」と突如、質問しました。
    数コマの授業のために遠い平塚から来られることが少女達には不思議だったのです。

    色白のお顔に赤い口紅、金縁メガネの奥の利口そうな瞳が空に飛び、微笑まれました。

    「一粒の麦、もし死なずば、です」。

    もしひとりでも芽が出て実れば、と願って教える、と私は解釈してしまいました。

    生命の分子機構の解明には程遠い時代であり、私は化学の授業に不燃焼気味でした、が、いみじくも、若い麦の穂を心に描きました。

    先生はご存命であられましょうか。

    私がキリストのその言葉の意味を知ったのは、はるか歳がいってからなのでした。

    <あなたが主役です>
    私は、一を知って十が分かるように教えて欲しい、というズボラモノ?でした。

    今は情報時代、知識を与えるだけの授業は無用ですね。

    もしかしたら教育の真髄は、あなただけのDNA情報という唯一の生命言語に、自らで責任を持たせる、ということかも~。

    いえ、教師はほんのお手伝い?

    何はともあれ今は、自動車の免許更新が自分しか出来ないように、まず、自分の遺伝子情報にも事故をおこさせないように、その戦略の更新に、心することが重要と思います。

    <遺伝子の損傷>
    放射性物質は依然と漏出が続いています!!

    規制値については、何とも、頭が痛みます。

    つまるところ、半径数十km以上での健康への影響はデータが揃わず判断出来ないのです。

    原発周辺はいわば東京の台所です。

    私達は毎日、いったい何キログラムの飲み物、野菜に魚、肉、果物、を体内に入れ続けていることでしょう。

    WHO(世界保健機構)の年間50ミリシーベルト以下に、というガイドライン値も現実みを帯びてきました。

    蓄積的な影響を無視して、レントゲン一回分とか、ニューヨークまでのフライト一回分のように外部被曝と一緒にしてはいけませんね。

    放射線障害は臓器の発達段階や個人の修復能により異なります。

    母親由来のゲノムDNA を持つ卵と父親由来のゲノムDNAを持つ精子が受精によって融合することにより、私達は両親由来のゲノムDNAを持つ個体となります (図)。

    放射線を受けると、体細胞と違って半分のDNA量で、分裂増殖もしない精細胞や卵細胞の生殖細胞はダメージが大きく、受精不可能となり不妊をもたらします。

    また、分裂が盛んな受精卵や胎児期(2ヶ月前)では極めて放射線への感受性が高く染色体破壊、DNA二本鎖の損傷などの確定的な影響が起こることが知られています。

    一方、細胞死に至らないような低線量障害の生殖細胞では、子孫への遺伝的影響が残るという問題があるのでどうしてもDNAレベルの解明が必要です、がまだヒトの実験科学研究は困難です。

    従って多くはガンの発症として、遺伝子の突然変異の障害を長期間にわたって統計的に、疫学的に表すしかありません。

    最近、少量被曝に着目した分子機構の研究が動物で報告されました(参考)。

    放射線障害の度合いは遺伝因子と環境因子によります。

    薬の副作用や酵素蛋白質の活性が個人の遺伝子上のSNPs(2月本ブログ)によって異なるように、放射線の障害も個人の遺伝子のDNA配列に影響されると考えられます。

    従ってその詳細には、どのような遺伝子の発現が、またそれを制御するどのような転写因子が放射線で影響されるかを分子レベルで解明することが重要となります(図、中央)(参考)。

    環境因子としては日々の生活習慣や食生活が大きく関連します。

    <体内被曝と和食>
    細胞内では、放射線の化学(電離)作用によって、活性酸素(2010年11月ブログ)が過剰に生じ、遺伝子や蛋白質の損傷が極めて起こりやすくなります。

    通常いろいろな原因で生じる細胞のダメージは、幸いなことに人類が獲得したさまざまな酵素蛋白質による修復力で乗り越えています(図、下)。

    ではこの期に及んで、私達は修復能力を上げられるものでしょうか。遺伝子のDNA配列は何としても変えられませんしーー。

    ヨウ素131については海草を常食した日本人は救いがある、とも聞きました。

    放射線障害の予防には緑茶の成分や寒天、昆布(海苔、ワカメも)、梅干、玄米、ごぼうなどの食品の効果が示唆されています。

    結局、排泄効果や活性酸素を除くための酸化防止力のあるもの、免疫力を高めるものが必要で、抗ガン効果のあるものなのですね。

    ダシ昆布が沢山入ったお鍋でその昆布も平らげる、我が家は和食党政権です。

    「ほらみて、やっぱり日本食!」と夫に申しましたら

    「独り生き残ってもしょうがないやー」でした。。。

    あなたは?  

  • Posted by 丸山 悦子  at 23:26Comments(0)長寿健康社会