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Posted by たまりば運営事務局 at

2010年09月29日

鶴は千年、亀は万年、ヒトは無限~

<花の命はーー>
厳しかった猛暑の日々を振り返ってみますと、誰よりも元気だった百日紅が思い出されます。

七月から、どこの街路も、白、桃、深紅の花が目いっぱい賑わっていました。

何とまだ咲き続いていますので、今年は、東京で100日がクリアー、です。

百日紅は幹がすべすべなので日本では、さるすべり、と読みます、が、中国では、恋人の帰りを100日間もたたずんで待った場所に、何と100日間、花が咲き続いた、として名付けられたそうです。

どんな花も、いつも、余りにひたむきなので思わず足を止めます。

そして、それが乗り越えた冬の日々に想いを馳せてしまいます。

<生と死の狭間で>
亀の寿命は百年ぐらい、とか。

もっと下等動物で、長くても数百年。

しかし、植物なら屋久島の杉が数千年、と凄いです。

ヒトの寿命は江戸時代が50歳、今は85歳、やがて130歳。

食べ物、運動など環境が整えば150歳以上も可能とのこと。

やっぱり、嬉しいことですね~

体の中を見れば、赤血球は120日、腸の上皮細胞は3-5日、胃は18時間程度で細胞は生まれ変わっています。

まさに生々流転です。

でも、みんな同調していますので体を少し変えてみよう、と思ったら石の上にも3年かな、と私は思います。

エェッ、手っ取り早い薬に頼りたい?

分化しきった神経細胞と心筋細胞を除いて、正常な細胞はあるところで分裂を停止して、死にます。

ところが、何かの引金によってその箍(たが)が外れてしまったのが、がん細胞です。

ガン治療や未来(無限)の命のためには、生き返りの機構(細胞蘇生)や生まれ変わる機構(細胞分裂と増殖)の研究が重要ですね。

<ラインを振り返り、そして、ラインを引こう>
単細胞から機能分化した多細胞体はやがて有利な形質を残しながら、複雑な機能をもつ高等生物へと進化しました。

私達、現生人類は15-20万年前にアフリカで誕生しました。

右図にその歴史の概要を描いて見ました。

私達は、長い世代交代によって獲得した形質を蓄積・係累して、ついに、知性あるもの(サピエンス)になれたのです。

ところが個人の歴史では、新陳代謝して細胞が分裂増殖するとき、悲しいことに、全く同じ細胞を生じることが出来ません。

そのたびにエラーを増してしまうのです。

そして修復や防御をしきれなくなると、遂に生命の存続が断たれます。

ですから、「働きバチ」となって、新陳代謝を激しくして、過度に細胞の生まれ変わりを促進するのは考えものなのです。

この頃よく耳にするスローライフの意味する所は、超長寿を目指す、副交感神経型社会への礼賛、ということですね。

私達は、何処から来て、何処へ行く、のでしょうか、ふと立ち止まった秋の夜長でした。



  

  • Posted by 丸山 悦子  at 21:00Comments(2)長寿健康社会

    2010年09月21日

    秋は和紙にクルまれて---

    <尺八の「枯葉」で迎えた秋>
    先日、尺八のライブを聞き、私の脳はもうすっかり、秋モードになりました。

    三味線と言えばお座敷、尺八といえば虚無僧、そんな程度でした。

    目の前に、背までの長い髪の楚々とした方が、クラシックなピアノ椅子に座って、スッと尺八を口に。

    脳の中の旋律を追うかのように、かすかに開けた目がわずかに動く、指がすすっと、5つの穴の上を泳ぐ。
    それは、さながら、かろやかなスケッチ絵、でした。

    ビートルズの曲に続いて、シング・シング・シング、アメリカン・パトロールそしてシャンソンの枯葉。

    尺八の楽譜には無いものばかりです。

    その音の広がり方は、和紙で優しく、脳が包まれていく、かのようでした。

    <ヒーリングのためには>
    何事も思うようにはいかないストレス社会、ストレス解消できる趣味をもつことはヒーリング法の一つです。
    すでに、リラックス系の音楽を聴く、軽い運動やストレッチをする、アロマなどの「癒し」やお香を焚く、ツボを押す、これらは現代人の自律神経系の養生法として広まっています。
                 
    表に、自律神経系(交感神経系と副交感神経系)がどのように身体で働いているか、をまとめてみました。
    いらいら、カッカッ、ブスブス、は自律神経系が交感神経系の方に傾きます。

    その時、血中に悪さをする活性酸素が増え、その結果、免疫力を発揮するリンパ球の活性や数が抑制されます。

    その効力の減少は、感染をおこしやすく、またガンを発生しやすくさせてしまうのです。

    夏の冷房による体の不調は、楽しいことをして、身体を副交感神経優位へと導いて、早めに回復させたいですね。

    <尺八の妙味>
    現代は、軒先で尺八を吹く虚無僧を見かけることはありません、が幼い時の記憶はあります。

    何を想うて、吹いているのかな、とーー、幼な心にも、なぜか、虚無僧の出で立ち、風貌に、普通の人にはない超越を感じたものです。

    今では、あの虚無僧の品格?は、尺八の音色がもたらす内面の平らかさ、すなわち、「副交感神経系の優位」に有り、と勝手に思っています。

    もう、小さな秋がそっと近づいてきました。
      

  • Posted by 丸山 悦子  at 07:27Comments(7)脳神経生化学

    2010年09月14日

    四十而不惑、今は、アラフォー而不調

    <こころと体の変化点>
    私は若い時、論語の中の、四十にして惑わず(四十而不惑)、五十にして天命を知る(五十而知天命)のところに憧れました。

    「あなたぐらいョ、歳をとりたいなんて思っているのは」と、言われたものです。

    ところがどうも現実は、違っていました。

    かなりの方が体調の変化に戸惑っている、ことが分かりました。

    孔子は、哲学に一心で、身体の変調など気にならなかったのでしょうか。

    いいえ、古来よりヒトの生物学的適応力は変わっていませんから、きっと、現代の大量消費、大量生産の社会構造が、精神的にまた肉体的に、負荷となっているに違いありません。

    <天下の分かれ目は40歳>
    男女の性差は、生後早期に、脳が、自らの生殖器で産生する性ホルモンに曝されることによって、生じるのです。脳神経細胞の情報伝達や神経ネットワークは、性ホルモンによって大きな影響を受けます。

    図はヒトが40歳を境に、性ホルモンのレべルが著しく低下することを示しています。

    脳の視床下部(8月21日、脳の図)が性ホルモンのレベルを調節します。

    ところが女性ホルモンを出す卵巣の機能は、加齢によって低下しますので、視床下部はそのホルモンを出すよう指令を出し続けます。

    やがて、頑張りすぎて不調となった視床下部では、そこはまた自律神経系(交感神経系と副交感神経系)の中枢でもありますので、そちらの機能も乱れてしまうのです。

    女性ホルモンのレベルの変動は激しいので、ひとによってバランスの崩れ方も異なり、更年期障害は千差万別の症状となります。

    しかし、より早い身体的、精神的なケアによって、かなり緩和される、とのことです。

    <ホルモンとホルモンの凌ぎ合い> 
    生体はその状態を一定に保つべく、ホルモンレベルはフィードバック制御されています。

    体内ホルモンが正常であれば、心身ともに快適な生活が送れます。

    不規則な生活、時間に追われた生活では、気温や明るさに応じて分泌が変動するホルモン産生が乱れ、また副腎からはストレスホルモンが過剰に分泌され、脳機能や免疫機能の働きが損なわれます。

    現代人はとにかく日頃に、自分でしっかりと健康管理を行い、ホルモンを放るもの、にしないことが大切ですね。

    <性ホルモンと脳機能そして生物の存続について>
    各ホルモンは、ターゲットとする組織の細胞にある受容体蛋白質に結合して、外界の情報を細胞内に伝え、そこに必要な蛋白質の合成スイッチをオンにします。

    性ホルモン受容体は、神経細胞のシナプスの膜上にもあって、記憶などのヒトの高次機能に影響します。 

    怖いことに、この受容体に結合してしまう、構造が類似した、外来性の物質が沢山あることがわかりました。

    外因性内分泌撹乱化学物質、いわゆる環境ホルモンと呼ばれる一連の化学物質(農薬、医薬品、ビニール、合成洗剤、防腐剤などから)で、代表的なものは、発がん性や生殖毒性が極めて強いPCBやダイオキシン類です。

    それらの垂れ流しは、ヒトの神経機能や内分泌系に悪影響するばかりでなく、動植物の生殖システムにも大きな影響を与えます。
    なぜなら、それらの分子は脂肪組織に蓄積しやすく、また分解されにくいため、食物連鎖によって濃縮されていくからです。

    今なお、この人為的汚染の処置は大きな生物学的社会課題です。

      

  • Posted by 丸山 悦子  at 19:56Comments(6)脳神経生化学

    2010年09月08日

    猫の日本語!科学になる日は--

    <女性社長の言葉にドッキン>
    三鷹起業塾の講義の中で、在宅女性を生かす会社を起こして、成功なさった女性社長がおっしゃいました。
    「起業など考える前に、お隣りの前も掃除する、近所の方には先に笑顔で挨拶をする、その方が大切です」と。

    それほどに、事業の成功には人と人との関係が大きいということなのですね。

    私は、お隣りに吹き溜まる、我が家の落ち葉を掃く、のは当然と思っていました。

    早朝、日課である花の水遣りをしていますと、よく散歩の猫に出会います。
    それからは、私は大きな声で「おはよう」と言います。

    私の顔をしっかりと見て、中猫なのに子猫のような声で、「ニャーオ」と応えます。

    その眼差しに、清々しい一日がはじまるようになりました。

    <無意識の世界>
    ある朝、三軒先の角から、その猫が猛烈な勢いでダッシュしてきました。

    驚いたのは、しじまの朝に、こだまするが如き、ぱかっぱかっというまるで馬のひずめのような大きな音です。

    私の脳では、猫のぽっちゃり肉球とアスファルト、馬のひずめの画像が交互に浮かび、そして、どうして肉球なのにこんな大きなひずめの音がするのだろう、なぜだろう、と、わずか数秒の間、頭を捻っていました。

    3m手前で急停車したかと思うや、何と、猫は私を見上げて、「走っちゃいました」と言ったのです。

    びっくり仰天して猫を見つめれば、何か秘めた、恥らうような、とまどうような顔付きでもありました。

    明らかに、私が猫の顔付きを認知した後に、私の脳に、「走っちゃいました」、という言葉が出現したのではありません。

    最近の研究で、霊長類では脳にミラーニューロンという神経細胞があり、鏡のようなシステムによって、同種で観察した行動を自分の脳内でシュミレート出来る、と言われています。

    私の脳は猫の脳レベル??

    それにしても、お早よう、なら分かりますが、それはおよそ私が思いつかない、使うことがない言葉使いです。未知なる世界ですね。

    このミラーニューロンのシステムは、共感する心や言語能力の発達との関係があると示唆されています。
    他者を理解出来ない心の疾患では、このシステムが低下しているともいわれ、今後の解明が重要です。

    今回の猫とのこと、科学するにはまだ時間が必要、おこがましく感じますが、書いちゃいました(猫のまねです)。

    <頼れるのは脳ばかりーー>
    先に、私は、<脳の不思議な力>、数秒間の脳が救った塾長の命、について書きました(記、8月21日)

    また昨日は、副塾長が「八方塞がりも、熟慮と情報、そして寝て待てば解決する」と、脳の素晴らしさ?をブログに書かれました。

    健康なら何でも乗り切れるのですね。

    猫とではあらず、face to faceでこそ、商談も成功し、そして、眠ったあとは、第六感やひらめきによって、更なる飛躍が得られる!!

    本当に、脳の素晴らしさを感じ合える社会でありたいですね。 

    ですから、私は、人々の健康維持が持続出来ますように、現代科学の力をもってして、尽力したいと思います。  

  • Posted by 丸山 悦子  at 19:20Comments(2)ベンチャーはアドベンチャー

    2010年09月02日

    ヘルスケアのベンチャーは花盛り?

    <ヒトの恒常性維持>
    生き続ける、ということは外界の変化(刺激)に上手く対応して、恒常性を維持出来る、ということです。

    外からの刺激はまず、五感(視、嗅、味、触、聴覚)の神経を通して脳幹部(延髄、橋、中脳、視床下部、視床)や大脳に伝えられます。
    そこでは複雑な神経回路網によって情報の処理と統合が行われ、その結果、身体運動のコントロールや、認識や思考などの精神活動のための指令が出されます。

    しかし、脳の営みには脳の分子以外も大きく関わリます。


    上の図は、身体の各機能は、ホルモンなどの微量で効く生体物質によって相互に調節し合っている、仕組みを表しています。

    ストレスや精神的変化があると、脳は直ぐに、視床下部ー下垂体に影響を及ぼします。
    そこでは生命を守るべく、ホルモンの産生によって応答し、直ぐ傍の血管中に分泌させ、ホルモンの血中バランスを変化させます。
    その変化は血中の免疫系細胞のみならず、全身を巡り巡って、また脳神経系や免疫系や分泌系や内臓機能に影響します。
    このように各システムは互いに、微量の特異な物質によって情報を交換し、恒常性維持に努めています。

    <ストレスに勝てる体内コミュニケーション力をアップするにはーー>
    仕事は主に筋肉運動だった、のどかな社会?では、たとえストレスなことがあっても、好物を食べて(飲んで)一晩寝れば、心地よい朝が迎えられて仕事に励むことが出来ました。
    しかしながら、極度に複雑化した、情報過多な社会では、安定した精神状態や健康な体を保つことは容易ではなくなってしまいました。

    では、この身体の乱れを整えるべく業はあるのでしょうか?

    答えは、どんな刺激にも対応出来る、繊細な神経を沢山作ること、かもしれませんね。

    さて、みたか第一期起業塾では、繊細な神経を磨くべく、「身体と脳の調和の実践(丸山の解釈)」の起業を目指された方が沢山いらっしゃいました。従って、この種の起業は、現代に根ざす社会的そして身体的ニーズの落とし胤ではないでしょうか。

    そこでは、ヨガによるバランス育成のIさん、音楽という聴覚刺激から脳の統合的活性化を目指すUさん、ツボ刺激やリンパの滞りを解消するOさんやTさん、そして自然な体を作ろう、のYさんでした(ちなみに全員女性!です)。
    ツボ刺激(丸山の解釈は交感神経と副交感神経の選択的特異刺激)のみならず、皮膚から脳への神経刺激や接触感や快感などへの意識集中のエキササイズは、まさに身体と脳神経のコミュニケーション力を高めるものに違いありません。

    <脳機能に関与する物質の測定開発に挑む>
    最後に私の宣伝です。
    なぜ私が血液検査の研究開発型起業に挑むのか、について簡単に書かせて頂きます。

    上図は脳や免疫系、分泌系が血液の循環を通して互いにコミュニケーションしていることを示しています。
    私はこの、生物の複雑な統合的な働きを考えるほどに、血中にある微量の分子のレベル変化をいち早く知ることが、人々の健康指標として、なくてはならないこと、と思いようになりました(参考文献)。
    そこで私は、検査試薬の技術開発と製品の創造に尽力しよう、と決意しました。

    なお、身体における、この連携の分子メカニズムの解明は、特に新薬の開発では、今後極めて重要となることはいうまでもありません。
      

  • Posted by 丸山 悦子  at 21:15Comments(2)ベンチャーはアドベンチャー