たまりば

エコ・自然 エコ・自然三鷹市 三鷹市

スポンサーリンク

上記の広告は、60日以上更新がないブログに表示されています。
新たに記事を投稿することで、広告を消すことができます。  
Posted by たまりば運営事務局 at

2011年01月22日

やっぱり、合点がいかぬ、猫の脳!!

<脳内シミュレーション>
暑いの、寒いの、ーーそんな私達をものともせず、自然は時を刻み続けます。

知らぬ間に大きく、お隣りに伸びてしまった枝を、私は一生懸命に切っていました。

後の塀の上を歩いていた猫が、直交しているこちらの塀に移りました。

トコトコ、と歩いてきて、猫の顔と私の顔は、近づきました。すると、「何しているの?」と私の顔をみて尋ねるではありませんか。

私は「枝を下ろしているの」と答えました。猫は「ふうーん」と言って納得顔をすると、そこで、塀を降りて隣家の裏庭をスタスタと歩いていきました。

ハタ、と手を休めて考えました。猫は声を出さないでしゃべったのに、なぜ、人間の私が声を出して、返事をするワケ???

それにしてもおかしいです。何してんの、なんて聞くまでもなく、見れば私が枝を切っていることぐらい誰でも分かるのにーー

高等動物は、脳にミラーニューロンがあり、他人の行動をあたかも自分の行動のように感じ取ることが出来ます。

最初は猿の脳の電気信号と行動学の研究において、他者の行動を見て自分が行動したかのように発火する神経細胞があることが見つかり、物まね細胞(ミラーニューロン)と名付けられました。

今回も脳の中の鏡、ミラーニューロン(9月8日記)の成せる業なのでしょうか?

しかしどう考えても、私の脳に映るべき言葉は「邪魔だわ、私、あっちに行きたいの!」となるはずです。ホントに、猫の脳って、変ですね。

エエッ、わたしのミラーにヒビ割れが??

<模倣と共感>
私達、人類の脳はミラーニューロンの発火に伴って同時に、大脳辺縁系の感情を司る脳中枢(扁桃体、8月21日ブログの図中)に信号が送られます。これが、他人の苦しみや心の痛みを感じて一緒に泣くしくみと考えられています。共感です。

模倣に長けた人は感情の認識に優れているといわれます。ですから、他人に共感する力にも恵まれていることになりますね。

物まねするほど、頭のよい子になる、と言われるのもさもありなんです。

子どもが大人になっていく教育のプロセスにおいて、ミラーニューロンシステムは、社会的存在になる、という最も重要な役を果たすことになります。

自閉症は他者と共感出来ない疾患です。ミラーニューロンにおいて、電気生理学的にまた機能的MRIで、機能や構造の異常が報告されています(参考文献)。しかし、その分子機構は未知のため薬の開発は進みません。

<ヒトはどこがどう特別なの?>
私は、脳の凄い所は、ガリレオの如く、誰も考えもしなかった可能性を創造・考察出来ることだ、と思います。それは、積み重ねによって出来た、密で確固とした神経配線の為せる業でしょうか。

文明社会を促進したのは言葉による熟考です。言葉が繰れなければ高度な思考も互いのコミュニケーションも成り立ちません。

言語中枢としては、比喩やことわざなど抽象的な言葉の意味を理解する「ウエルニッケ野」、読み書きそろばんの「角回」、そして行動と結びついた運動言語を司る大脳左半球の前頭葉にある「ブローカ野」があります(図)。これらがうまく同時に働いて言語機能が繰れます。どれも他の動物には未発達の場所です。

他者の意図を理解するということは社会性の基礎です。

相手のこころを察するという社会性の能力は「前部帯状回」(図)が司ります。極めてヒト独自です。

うつ病や統合失調症でここの異常の報告があります。

上記の全ての部位がうまく連携して統制のとれた脳に育つためには、豊かな社会背景が必須なのです。

昨今、脳は、生物学的機能に加えて社会的存在として、教育的見地で論じられています。

<鏡よ・鏡よ・鏡さ~ん>
知覚と行動を連携させ、さらに言葉にも反応するミラーニューロンシステムは、図のブローカ野の近くにあり、ヒトの成長過程で社会文化的並びに情動的な影響も受けながら統合されていく、と考えられています。

ミラーニューロンシステムは親のやることを、すべて自動的に吸収するメカニズムともいえます。本人が過去に無意識に吸収・体験した出来事が、知らず知らずのうちに“再現・復元”されてしまう、まさに‘子は親の鏡’、オー怖いッ!

そしてどうも、甘やかされて育ち、自分で解決して乗り越えたことがない脳は配線のし直しが難しいようーーー

とにかく、苦も無く、自動的に、無意識のうちに行われてしまう脳内ミラーリングです。

かくしてヒトは、言葉によらないメッセージさえも迅速かつ正確な同調によって、別の人間を共感・伝染させることが出来ます。社会をうまく維持するために獲得した能力なのでしょう。

ですから、出会った良き師や友は大切にして、‘朱に交われば赤くなる’の如く、しっかりと自らを感染脳にしたいものです(参考文献)。

‘酒に交わり過ぎて萎縮脳・認知症’?これには気をつけましょう~~~
  

  • Posted by 丸山 悦子  at 00:05Comments(0)脳神経生化学

    2011年01月06日

    年金より重要なものは‘貯筋’です。。。

    新年明けましておめでとうございます。
    私は、今年も一日一万歩を目指します。

    <ふくらはぎは第二の心臓>
    ヒトは重力に逆らって、血液を脳へ運ぶことが出来ます。
    足の筋肉が血液を心臓まで押し上げるポンプの役割をするのです。

    ですから長時間座って過ごす人は心臓に負担がかかり死亡リスクが高いといわれています。

    エコノミークラス症候群も、座ったままで血液が下半身に停留したことによる血液・血管障害です。

    毎日もむと寿命が伸びるーーー、そんなふくらはぎ健康法のキャッチフレーズは、足の筋肉をほぐして血液・リンパなどの循環を良くすれば全身に酸素や栄養が行き渡り、そして更にーーー。

    実は私達は、年令を重ねるにつれホルモンが減少し、そのために筋細胞の減少や筋繊維の萎縮がおこります。それで筋肉による押し上げポンプ力は20-30歳代をピークに、減衰してしまいます。

    足の筋肉量の低下は他に比べて著しく、60歳代では20歳代より40%も落ちるとも言われます。

    まさに、’老化は足から’の言葉どおりなのです。

    高齢者の足の筋力減少はQOLの低下となってしまいます。
    ではどうしたら、筋力低下が防げるのでしょうか。

    答えは、運動して脳から成長ホルモンを出してあげることです。
    成長ホルモンは他組織の細胞増殖因子の放出を促進するのです。

    <運動は如何にアンチエイジングとなるのか>
    運動によって筋肉が疲労し損傷しますと、乳酸や細胞内蛋白質が漏出します。
    そして筋細胞を再生すべくIGF-I(インスリン様成長因子-I)などの種々の成長因子が放出され筋は再生・肥大します。
    さらに、異物の掃除屋である免疫系細胞であるマクロファージも遊走してきて、免疫系を活性化するサイトカインという因子などが出されます(図)。

    これらの分子は神経インパルスや血液を通して脳にもすぐさま情報を与えます(図の右上)。脳はその結果、骨形成や新陳代謝、脂肪燃焼促進、コラーゲン生成などに関与して、生体の恒常性維持機能のある、また細胞の分裂・増殖を促進する成長ホルモンを脳下垂体から分泌するのです。

    この成長ホルモンは、寝る子は育つ、と言われる様に本来、睡眠中に分泌されるホルモンで、若い時に沢山出るホルモンです。

    このように私達は、筋トレによって成長ホルモンの分泌を増大させ、休息と訓練の継続によって、漸次、筋力や体調のレベルアップが図れるのです(参考文献)。

    <急いては、事をし損じる>
    筋肉の過負荷(疲労と筋繊維損傷)によって分泌された成長ホルモンは、複雑な経路を作りながら、筋肉の老化抑制のみならず生体の複雑なネットワークをより強固にします。

    ところが海外のセレブ?は成長ホルモンによる若返りの効果を急ぐ余り、何と大枚をはたいて化学合成ホルモンを注射しているそうですね。

    美肌作りに専心の女性も、手抜きに走ると大変なことがーーー腫瘍やガンのリスクが報告されています(文献参照)。

    <足は足でもーー >  
    鍛えてこその足腰であることが分かります。

    お足といえば宮中の女官が使った貨幣の隠語ですね。

    私は、働いて得たお金は人類のために生かしたい、と切に思う今日この頃です。

    一万円あると、途上国の学校へ行けない子が一年間中学校で学べます。

    バブルが崩壊した時は一万円があっという間に五千円に低落するものもありました。

    信用できる政治・政策のもとで、こちらのお足も血行不良を改善して、うまく動かして元気にしましょう。

      

  • Posted by 丸山 悦子  at 23:18Comments(6)脳神経生化学