たまりば

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2010年12月10日

Green HandでGreen Earth!!

<花とお話すれば――>
私には、お金も時間も掛からない、マル秘の趣味?があります。
思いがけずもそのおかげで、本ブログ訪問者へのお口直し?となっています。

私は花屋さんの片隅で「半額」と札のかかった「もう駄目っ」とばかりの植物をたまに購入します。
ぺチャーッという顔つきだったのが、いつの間にやらきれいな花を咲かせていると、おかしくもなります。

挿し木をすると、たいていは付いてしまうので「グリーン・ハンドをお持ちなのね」と昔、お隣の方から言われたことがあります。

切って幾本も挿しておくと、いつの間にか一個だけが育っていることがよくあります。
二個や三個でもいいのになぜ一個?
他の全員が「僕たちに変わって生き延びてね」とありたけの生気を渡したのかしら、いえ、やっぱり偶然の為せる業、と自分に言い聞かせるのです。

ある日、玄関先で、小さい兄弟らしき男の子が二人。お兄ちゃんが弟にこう言っていました。
「花はね、話かけるとこういう風にきれいに咲くんだよ」。

弟のきらきらの顔が忘れられません。

<グリーンが意味するもの>
私にはグリーンは平和とか真実のイメージがあります。

グリーンは、最近はもっぱら、青二才でなく、環境にやさしい、とくに地球環境の保全を意味しますね。
グリーン・ハンドは和製英語かもしれません。greenish でなくて、greenableとか、植物とcommunicateやtalk toの意でしょうか。

私達の脳は、太陽光に含まれる、葉に吸収されずに反射された波長を、グリーンと色覚します。

葉の葉緑体では、光合成色素、クロロフィルがグリーン以外の波長を吸収して、そして自ら励起して電子を放出します。一連の電子の受け渡しと吸収したCO2を使って糖の合成がなされます。

<地球を救うのはーー、ミドリムシでベンチャー大賞受賞>
さて、光合成をするのは植物ばかりとは限りません。

ミドリムシは光合成も出来るし、鞭毛で運動も出来る単細胞です。

Green HandでGreen Earth!!ミドリムシはムシにあらず、でゾウリムシや粘菌、アメーバ、マラリア原虫などと同じく原生生物界に分類されています(図1)。

実は最近、水田や水溜りにいる、このミドリムシが環境のCO2削減や食料源として役立つことで、着目されています。

ミドリムシで起業した出雲社長は学生時代からの夢を果たして、その大量培養技術で今年度の東京都ベンチャー技術大賞を獲得しました。

ミドリムシは脂質に富むので油が取れ、バイオ燃料としても有用です。減少一途の埋蔵・化石資源問題に朗報をもたらしました。

驚くこと勿れ、1切れに2億個以上のミドリムシが入ったカステラも売り出されたとかーー。
抹茶カステラと間違えそう~~

<ミドリムシの正体は>
随分と私達に役立ちそうなミドリムシです。
食料としての利点は、その養分に加え、植物や細菌が持つ、消化が難しい細胞壁がないことです。

やっぱり、ムシなの?

ではどうして、光のエネルギーを使える植物のような、動物のような、生き物がいるのでしょうか。
その昔、20億年位前でしょうか、ある真核生物はある日、光合成が出来るシアノバクテリア(原核生物;細菌)に感染し、共生するようになりました(図2)。そしてさらに、その共生植物を鞭毛虫のような原虫がまたパクッとやって、ミドリムシが生じた、とのことです(図3)。
原核生物について11月28日に書きました。

<光センサー蛋白質の同定>
ミドリムシの学名はユーグレナ、美しい瞳、と名付けられた如く、顕微鏡下では、カロテノイド色素を持つ、オレンジ色の眼点が見られます(図3)。

眼点は鞭毛の細胞内構造と一緒に光受容体装置を作り、光によって運動方向や速度を調節するようです。

何と、ミドリムシの光受容体はphotoactivated アデニレート サイクラーゼ(PAC)という、セカンド・メッセンジャーとして知られるcAMPを作る酵素でした。

この酵素が、電子移動に使われる補酵素であるフラビンアデニンジヌクレオチド(FAD)を結合、解離させて酵素活性の調節を行うことも分かってきました。最近、分子生物学的に構造解析がなされました(文献参照)。

ミドリムシの光の受容には細胞の吸収スペクトルからフラビンなどの色素の関与が長い間推定されていました。ミドリムシはCO2と光で増える単純な生き物と思われますがなぜか、生化学的な検証には年月が必要でした。もしや、膜蛋白質の可溶化にミドリムシの脂っこさが問題だったのでしょうか。脳も脂っこいーーー。

光による運動の分子メカニズムについては、太陽光の特定の光を信号としてフラビンからの酸化還元色素電子の放出をして運動に利用しているらしいこと、運動の調節因子がcAMPであること、は分かったのですが、この光センシング・システムによるメカニズムの詳細は、高等生物の運動にみられるようなアクチンとミオシンのスライディング機構とは異なり、未知のようです。

ミドリムシは目と足がくっ付いていて、スバシッコそうですね、単細胞ですけれどーーー
私の脳もどこか単細胞的。。。


挿せば、幾らでも増える菊とバラです。傍の水仙も冬が遠からじ、と蕾を見せました。
Green HandでGreen Earth!!








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    Posted by 丸山 悦子  at 01:07│Comments(0)長寿健康社会
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